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「お母さん奥歯が詰まった感じがあるんだけど…」 「それは、親知らずの影響かもしれないわよ!ほんま歯科クリニックに行って歯科検診を受けてらっしゃい!」 歯科検診で親知らずの影響を確認できます!歯科検診って大事なんですよ〜

親知らずと歯列不正、痛みとの関係
~抜歯の必要性と歯科検診の重要性をわかりやすく解説~
はじめに
親知らずとはどんな歯?
なぜ親知らずはトラブルを起こしやすいのか
「親知らずを抜いたほうがいいと言われた」「親知らずが痛くなった」「親知らずは必ず抜かなければならないの?」歯科医院ではこのような相談を受けることが少なくありません。親知らずは多くの人にとって身近な存在ですが、その役割やトラブルの原因について詳しく知っている人は意外と少ないものです。
今回は、親知らずとはどのような歯なのか、そしてなぜトラブルを起こしやすいのかについて、分かりやすく解説します。
親知らずとはどんな歯?
親知らずは、正式には「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」または「智歯(ちし)」と呼ばれる歯です。上下左右の一番奥に生えてくる永久歯で、最大4本あります。
一般的な永久歯は6歳頃から生え始めますが、親知らずが生える時期は17歳から25歳頃と比較的遅いのが特徴です。この頃になると、多くの人はすでに親元を離れて生活していたり、大人として自立していたりします。そのため、「親が知らないうちに生えてくる歯」という意味から「親知らず」と呼ばれるようになったといわれています。
しかし、すべての人に親知らずが生えるわけではありません。生まれつき親知らずの本数が少ない人や、まったく存在しない人もいます。また、歯ぐきや顎の骨の中に埋まったままで表面に出てこない場合もあります。
親知らずそのものは、他の奥歯と同じく食べ物を噛み砕くための歯です。昔の人類は現代人よりも顎が大きく、硬い食べ物を食べていたため、親知らずも含めて28本から32本の歯をしっかり使っていました。しかし、食生活の変化や顎の小型化によって、現代人では親知らずがきちんと並ぶためのスペースが不足することが増えています。これが、親知らずに関するさまざまな問題の大きな原因となっています。
なぜ親知らずはトラブルを起こしやすいのか
親知らずが問題を起こしやすい最大の理由は、「生える場所」と「生え方」にあります。
顎のスペースが不足しやすい
親知らずは歯列の一番奥に生えてきます。しかし、現代人の顎は昔に比べて小さくなっているため、親知らずが正常に並ぶための十分なスペースがないことが少なくありません。
スペースが不足すると、親知らずはまっすぐ生えられず、斜めになったり横向きになったりします。場合によっては歯ぐきや骨の中に埋まったままになり、一部だけ顔を出すこともあります。
このような状態では、歯と歯ぐきの間に汚れがたまりやすくなり、炎症や感染の原因となります。
歯磨きが難しい
親知らずは口の最も奥にあるため、歯ブラシが届きにくい場所です。
特に斜めに生えている親知らずや、一部だけ歯ぐきから出ている親知らずでは、食べかすや歯垢(プラーク)がたまりやすくなります。どれだけ丁寧に磨いているつもりでも、十分に清掃できていないケースが少なくありません。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
親知らずが虫歯になるだけでなく、その手前の大切な奥歯まで虫歯になることがあります。手前の歯は噛む機能を担う重要な歯であるため、親知らずが原因で健康な歯に悪影響が及ぶことは大きな問題です。
歯ぐきが炎症を起こしやすい
親知らずの周囲に起こる代表的なトラブルとして、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」があります。
これは親知らずの周囲の歯ぐきが細菌感染を起こし、炎症を起こした状態です。
症状としては、
- 歯ぐきの腫れ
- 痛み
- 出血
- 口臭
- 口が開けにくい
- 飲み込みにくい
- 発熱
などがあります。
初期には軽い違和感程度でも、炎症が進行すると強い痛みが出たり、頬が大きく腫れたりすることがあります。
疲労や睡眠不足、ストレスなどで体の抵抗力が低下すると発症しやすくなるため、「普段は何ともないのに急に痛くなった」というケースも珍しくありません。
隣の歯に悪影響を与える
横向きや斜めに生えた親知らずは、手前の第二大臼歯を押し続けることがあります。
その結果、
- 手前の歯が虫歯になる
- 歯周病が進行する
- 歯根が傷つく
- 骨が吸収される
などの問題が起こる場合があります。
親知らず自身の問題だけでなく、隣の健康な歯を失うリスクにつながることもあるため注意が必要です。
噛み合わせに影響することもある
まれではありますが、親知らずが異常な方向に生えることで噛み合わせに影響を与える場合があります。
また、頬の内側や歯ぐきを繰り返し傷つけてしまうこともあります。傷が慢性的に続くと、食事や会話の際に不快感を覚える原因となります。
親知らずは必ず抜かなければならないの?
「親知らず=抜歯」と考えている人もいますが、実際には必ずしも抜かなければならないわけではありません。
例えば、
- まっすぐ正常に生えている
- 噛み合わせに参加している
- 虫歯や歯周病がない
- 十分に清掃できている
といった場合は、経過観察となることもあります。
一方で、
- 繰り返し炎症を起こしている
- 虫歯になっている
- 隣の歯に悪影響を与えている
- 将来的にトラブルが予想される
場合には、抜歯が勧められることがあります。
親知らずの状態は人によって大きく異なるため、レントゲンやCTなどによる検査を行い、歯科医師と相談しながら判断することが大切です。
まとめ
親知らずは永久歯の一種ですが、現代人では顎のスペース不足によって正常に生えにくく、さまざまなトラブルの原因となりやすい歯です。
特に、虫歯や歯周病、智歯周囲炎、隣の歯への悪影響などが起こりやすく、症状が出てから受診するケースも少なくありません。
しかし、親知らずがあっても必ず抜歯が必要とは限りません。大切なのは、自分の親知らずがどのような状態にあるのかを正しく把握することです。
痛みや腫れなどの症状がなくても、定期的に歯科検診を受けることで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。親知らずについて気になることがあれば、早めに歯科医院で相談し、適切な診断とアドバイスを受けるようにしましょう。
第1章 親知らずの基礎知識
親知らずの特徴・生える時期・生え方の種類を詳しく解説
「親知らずが生えてきた気がする」「レントゲンで親知らずが横向きと言われた」「そもそも親知らずって何本あるの?」
歯科医院でよく聞かれる質問の一つが、親知らずに関するものです。親知らずは多くの人が経験する身近な歯ですが、生え方や本数には大きな個人差があります。そのため、自分の親知らずがどのような状態なのか分からず、不安を感じている方も少なくありません。
親知らずは虫歯や歯ぐきの腫れ、痛みなどのトラブルの原因として知られていますが、すべての親知らずが問題を起こすわけではありません。まずは親知らずについて正しく知ることが大切です。
この章では、親知らずの特徴や生える時期、生え方の種類、そして親知らずがある人とない人の違いについて詳しく解説します。
親知らずの特徴
親知らずは、歯科用語では「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」または「智歯(ちし)」と呼ばれる永久歯です。
永久歯は通常28本ありますが、親知らずを含めると最大32本になります。
親知らずは上下左右の最も奥に位置しており、
- 右上
- 左上
- 右下
- 左下
の4か所に存在する可能性があります。
ただし、必ず4本あるとは限りません。
人によっては、
- 4本ある
- 3本だけある
- 2本しかない
- 1本だけある
- 1本もない
などさまざまです。
さらに、歯ぐきから見えていなくても顎の骨の中に存在している場合があります。
親知らずは他の奥歯と同じく、食べ物をすりつぶしたり噛み砕いたりする役割を持っています。しかし現代では、顎の大きさや食生活の変化によって、十分に機能していないケースも少なくありません。
なぜ「親知らず」と呼ばれるの?
親知らずという名前には諸説ありますが、最も有名なのは「親が知らないうちに生えてくる歯」という説です。
親知らずは通常17歳から25歳頃に生えてきます。
昔の日本では寿命が短く、子どもが成人する頃には親と離れて暮らしていることも多かったため、親が知らない間に生えてくる歯として「親知らず」と呼ばれるようになったと考えられています。
また、英語では
「Wisdom Tooth(知恵の歯)」
と呼ばれています。
これは知恵がつく年齢になってから生えてくることに由来しています。
歯科用語の「智歯」も同じ意味です。
親知らずが生える時期
親知らずは永久歯の中で最も遅く生えてくる歯です。
一般的には17歳から25歳頃に生えてきます。
ただし個人差が大きく、
- 15歳頃から生え始める人
- 30歳近くで生える人
- 一生生えてこない人
もいます。
通常の永久歯は12歳頃までにほぼ生えそろいます。
ところが親知らずだけは成長の最終段階でゆっくり発育するため、他の歯とはタイミングが大きく異なります。
生える時期に個人差がある理由
親知らずが生える時期は次のような要因によって変わります。
顎の大きさ
顎に十分なスペースがある人は比較的スムーズに生える傾向があります。
一方でスペースが不足している場合は、生える途中で止まったり、埋まったままになったりします。
遺伝
親知らずの本数や発育状態には遺伝的要因も関係しています。
家族に親知らずが少ない人がいる場合、自分も同じような傾向を持つことがあります。
発育速度
骨や歯の成長スピードには個人差があり、その違いが生える時期にも影響します。
親知らずの生え方の種類
親知らずの特徴は、生え方に大きな個人差があることです。
同じ人でも、
- 上は正常
- 下は横向き
というケースも珍しくありません。
ここでは代表的な4つの生え方について解説します。
① まっすぐ生えるケース
最も理想的な状態です。
親知らずが他の奥歯と同じ方向にまっすぐ生え、正常な噛み合わせに参加している状態を指します。
特徴としては、
- 歯ぐきから完全に出ている
- 清掃しやすい
- 噛む機能を果たしている
- 虫歯や炎症のリスクが比較的低い
という点が挙げられます。
正常な親知らずは抜かなくてもよい?
多くの場合、問題がなければ抜歯は必要ありません。
例えば、
- 虫歯がない
- 歯周病がない
- 噛み合わせに問題がない
- 清掃状態が良好
であれば、そのまま経過観察となることが一般的です。
将来的にブリッジや入れ歯の支えとして利用できる場合もあります。
② 斜めに生えるケース
非常に多いタイプです。
親知らずが手前の歯に向かって斜めに傾きながら生えてくる状態です。
特に下の親知らずでよく見られます。
なぜ斜めになるの?
最大の原因はスペース不足です。
親知らずは歯列の最後尾に生えます。
ところが現代人の顎は小さくなっているため、十分なスペースが確保できないことがあります。
すると親知らずは行き場を失い、斜め方向へ伸びていきます。
起こりやすい問題
斜めに生えた親知らずでは、
- 食べかすがたまりやすい
- 歯ブラシが届きにくい
- 歯ぐきが腫れやすい
- 手前の歯が虫歯になる
といった問題が起こります。
特に親知らずと第二大臼歯の間は清掃が難しく、虫歯の温床になりやすい部分です。
③ 横向きに埋まるケース
歯科医院で最も抜歯の対象になりやすいタイプです。
親知らずが完全に横向きとなり、手前の歯を押すような状態で埋まっています。
レントゲン撮影をすると、
「親知らずが真横を向いている」
という状態が確認できます。
横向きになる理由
やはり主な原因はスペース不足です。
歯が正常に上へ伸びるだけの空間がなく、途中で方向を変えてしまうためです。
起こりやすいトラブル
横向き埋伏歯では、
- 智歯周囲炎
- 強い腫れ
- 痛み
- 虫歯
- 隣の歯の歯根吸収
- 顎の骨の炎症
などが起こる可能性があります。
親知らず自体よりも、隣の健康な歯を失うリスクが問題となることもあります。
④ 完全に骨の中に埋まるケース
親知らずが顎の骨の中に完全に埋まっている状態です。
「完全埋伏歯(かんぜんまいふくし)」と呼ばれます。
歯ぐきの表面からは全く見えません。
本人も存在に気づいていないことが多く、レントゲン検査で初めて発見されます。
症状はあるの?
多くの場合、症状はありません。
そのため、
「一生気づかないまま」
という人もいます。
ただし、
- 嚢胞(のうほう)の形成
- 周囲の骨への影響
- 隣の歯への圧迫
などが起こる場合もあります。
定期的なレントゲン検査による経過観察が重要になります。
親知らずがある人・ない人の違い
近年では、親知らずが生まれつき存在しない人が増えていることが分かっています。
なぜ親知らずがない人がいるの?
最大の理由は進化による変化です。
人類の祖先は硬い木の実や肉を食べていたため、大きな顎と強い咀嚼力が必要でした。
そのため親知らずを含む32本の歯が必要だったのです。
しかし現代では、
- 食べ物が柔らかくなった
- 調理技術が発達した
- 顎の成長が小さくなった
ことで、親知らずの必要性が低下しました。
その結果、親知らずの芽そのものが作られない人が増えていると考えられています。
親知らずがない人は問題ない?
基本的には問題ありません。
親知らずがなくても、
- 噛む機能
- 発音
- 日常生活
に支障が出ることはほとんどありません。
むしろ親知らずによる虫歯や炎症のリスクがないため、メリットと考える人もいます。
自分に親知らずがあるか調べる方法
最も確実なのは歯科医院でレントゲン撮影を受けることです。
見た目では親知らずがないように見えても、
- 骨の中に埋まっている
- 発育途中である
場合があります。
パノラマレントゲンを撮影すると、
- 本数
- 向き
- 深さ
- 神経との位置関係
などを確認できます。
まとめ
親知らずは永久歯の中で最も遅く生えてくる歯であり、その生え方には大きな個人差があります。
まっすぐ正常に生える人もいれば、斜めや横向きに埋まる人、さらには生まれつき親知らず自体が存在しない人もいます。特に現代人は顎が小さい傾向があるため、親知らずが正常に生えるスペースが不足しやすく、多くのトラブルが発生しやすい環境にあります。
しかし、親知らずがあること自体が問題なのではなく、「どのような状態で存在しているか」が重要です。自覚症状がなくても骨の中に埋まっている場合もあるため、一度は歯科医院でレントゲン検査を受け、自分の親知らずの状態を把握しておくことをおすすめします。
親知らずを正しく理解することは、将来の虫歯や歯周病、抜歯の必要性を判断するうえでの第一歩となります。定期的な歯科検診を活用し、自分の口の中の状態を知ることから始めましょう。
第2章 親知らずと歯列不正の関係
歯列不正とは/親知らずと歯並びの関係/矯正との関係を詳しく解説
「親知らずが生えてきてから前歯がガタガタしてきた気がする」
「矯正したのに、また歯並びが崩れてきた」
「親知らずは抜いたほうが歯並びのためにいいの?」
親知らずと歯並び(歯列不正)の関係は、多くの患者さんが気にするテーマのひとつです。特に矯正治療を経験した方にとっては、「後戻り」と親知らずを結びつけて考えることが多く、不安の原因になりやすい部分でもあります。
この章では、歯列不正の基本から、親知らずが歯並びに与える影響、矯正治療との関係、そして若年者が注意すべきポイントまで、分かりやすく整理して解説します。
歯列不正とは
歯列不正とは、歯が本来あるべき位置にきれいに並ばず、乱れている状態を指します。いわゆる「歯並びが悪い状態」です。
代表的な歯列不正には以下のようなものがあります。
- デコボコしている(叢生:そうせい)
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- すきっ歯(空隙歯列)
- 噛み合わせのズレ
歯列不正は見た目だけでなく、噛む機能や発音、虫歯・歯周病のリスクにも影響します。
特に「叢生(歯の重なり)」は日本人に多い歯列不正で、親知らずとの関係がよく話題になります。
「親知らずが歯並びを悪くする」は本当?
結論から言うと、
親知らずが直接的に前歯を押して歯並びを崩すという考えは、医学的には単純ではありません。
かつては「親知らずが前の歯を押して歯並びが悪くなる」と考えられていました。しかし現在の歯科医学では、必ずしもそれだけが原因とは言えないことが分かっています。
歯並びは非常に多くの要因で決まります。
- 顎の大きさ
- 歯の大きさ
- 舌の力
- 唇や頬の圧力
- 加齢変化
- 生活習慣
これらが複雑に関係しています。
ただし、「親知らずが全く関係ない」というわけでもありません。状況によっては歯並びに影響を与える可能性があります。
親知らずが及ぼす可能性のある影響
親知らずが歯列に影響する可能性があるのは、主に次のようなケースです。
① 斜め・横向きに生えている場合
特に下顎の親知らずで多いのが、手前の歯に向かって斜めに生えるケースです。
この状態では、
- 手前の第二大臼歯を圧迫する
- 歯列全体の後方スペースに影響する
- 奥歯の位置関係が不安定になる
といったことが起こる可能性があります。
ただし、この「押す力」が前歯まで直接伝わるかどうかについては、個人差が大きいとされています。
② 歯列全体のスペース不足がある場合
歯並びが乱れる根本的な原因が「顎のスペース不足」である場合、親知らずの存在はそのバランスに影響することがあります。
つまり、
- もともと歯が並ぶスペースがギリギリ
- 親知らずがさらに後方から押す
- 全体のバランスが崩れやすい
という状態です。
③ 矯正後の安定性に関係する場合
矯正治療後は歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こります。
この後戻りには、
- 歯周組織の弾性
- 舌の癖
- 噛み合わせの力
などが関係しており、親知らずだけが原因ではありません。
ただし、親知らずがあることで奥歯の環境に変化が起き、間接的に影響する可能性が議論されています。
前歯の重なりとの関連
患者さんから特に多い質問が、
「親知らずが原因で前歯がガタガタになったのでは?」
というものです。
結論としては、
前歯の歯並びの乱れは、親知らず単独の原因で起こることは少ない
と考えられています。
前歯が重なる主な原因
前歯の叢生(デコボコ)は、主に以下の要因によって起こります。
- 顎の成長不足
- 永久歯のサイズが大きい
- 舌の位置や癖
- 加齢による変化
- 乳歯から永久歯への生え変わりの影響
特に重要なのは「顎の大きさと歯の大きさのバランス」です。
なぜ親知らずが原因と思われやすいのか
親知らずが生える時期は10代後半〜20代であり、ちょうど前歯のズレに気づく時期と重なります。
そのため、
「親知らずが出てきた=歯並びが悪くなった」
と感じやすいのです。
しかし実際には、時間経過による自然な変化が重なっていることが多いと考えられています。
矯正治療中・矯正後の親知らず管理
親知らずは矯正治療と深く関わることがあります。
矯正前の親知らず
矯正治療を始める前に、
- 親知らずの位置
- 生え方
- 将来的な影響
を確認することが重要です。
特に横向きや埋伏している親知らずは、矯正計画に影響する場合があります。
矯正中の親知らず
矯正中に親知らずが生えてくると、
- 奥歯のスペースに影響
- 装置周囲の清掃が難しくなる
- 炎症のリスクが上がる
ことがあります。
ただし、必ず抜歯する必要があるわけではなく、状態によって判断されます。
矯正後の親知らず
矯正後に最も議論されるのが親知らずの管理です。
一般的に考えられているのは以下のような方針です。
- 問題のない親知らず → 経過観察
- 横向き・埋伏 → 抜歯検討
- 清掃困難 → 虫歯・炎症予防のため抜歯検討
特に矯正後は歯並びの安定が重要なため、長期的視点で判断されます。
矯正後の「後戻り」と親知らずの関係
矯正後に歯が少しずつ動く現象を「後戻り」といいます。
後戻りの主な原因は、
- 歯周組織の記憶
- 舌や唇の力
- 噛み合わせの変化
- 加齢変化
などです。
親知らずは「要因のひとつとして議論されることはあるが、単独原因ではない」という位置づけです。
そのため、親知らずを抜いたからといって後戻りが完全に防げるわけではありません。
逆に、親知らずがあっても安定しているケースも多く存在します。
若年者における注意点
10代後半〜20代前半の若い世代では、親知らずと歯列の変化が同時期に起こるため注意が必要です。
① 成長期の歯列はまだ変化する
顎の成長は20歳前後まで続くことがあり、
- 歯並びが自然に変化する
- 噛み合わせが変わる
- スペースが変動する
といったことが起こります。
② 親知らずの影響を過大評価しないこと
この時期は変化が多いため、
「親知らずのせいで歯並びが悪くなった」
と決めつけないことが重要です。
複数の要因が同時に起きている可能性が高いからです。
③ 定期的なレントゲン管理が重要
若年者は親知らずの位置が変化する途中段階であることが多いため、
- パノラマレントゲン
- 必要に応じてCT
で定期的に確認することが推奨されます。
④ 矯正治療とのタイミング
親知らずがある状態で矯正を始める場合は、
- 抜歯するか
- 残すか
- 後で抜くか
を事前に計画することが重要です。
まとめ
親知らずと歯列不正の関係は非常に複雑で、「親知らずが歯並びを直接悪くする」と単純に言い切ることはできません。
しかし、斜めや横向きに生えている場合や、もともとスペースが少ない場合には、歯列全体に影響を与える可能性があります。また、矯正治療後の安定性に関しても、親知らずは複数ある要因の一つとして考えられています。
重要なのは、「親知らずがあるかどうか」ではなく、「どのような状態で存在しているか」です。
歯並びや矯正治療の成功には、親知らずだけでなく顎の成長や生活習慣など多くの要因が関係しています。過度に不安を持つのではなく、歯科医師の診断をもとに総合的に判断することが大切です。
第3章 親知らずによる痛みの原因
痛みが起こる仕組み・炎症・むし歯・噛み合わせ・関連痛まで詳しく解説
「親知らずが急にズキズキ痛み出した」
「腫れて口が開かない」
「噛むと奥歯が響く」
「歯ではなく頭や顎まで痛い気がする」
親知らずの痛みは、突然強く出ることが多く、日常生活に大きな支障を与えることがあります。しかも痛みの原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起こるのが特徴です。
この章では、親知らずが痛くなる仕組みから、代表的な病気である智歯周囲炎、むし歯、噛み合わせの問題、そして顎や頭痛・肩こりとの関係まで、患者さんに分かりやすく解説します。
親知らずが痛くなる仕組み
親知らずの痛みの多くは、「炎症」と「圧力」によって起こります。
歯は単なる硬い物体ではなく、
- 歯の周りの歯ぐき(歯肉)
- 歯を支える骨(歯槽骨)
- 神経
と密接につながっています。
そのため、どこかに異常が起こると痛みとして感じやすい構造になっています。
特に親知らずは、
- 位置が奥すぎる
- 半分埋まっていることが多い
- 清掃が難しい
- まっすぐ生えないことが多い
という特徴があるため、炎症が起こりやすい環境にあります。
智歯周囲炎とは
親知らずの痛みの原因として最も多いのが「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」です。
これは親知らずの周囲の歯ぐきが細菌感染を起こし、炎症が広がる状態です。
特に下の親知らずで多く見られます。
なぜ起こるのか
親知らずの一部だけが歯ぐきから出ている場合、その周囲には「ポケット」のような隙間ができます。
この隙間に、
- 食べかす
- プラーク(歯垢)
- 細菌
がたまりやすくなります。
さらに奥のため歯ブラシが届きにくく、清掃不良が続くことで炎症が起こります。
主な症状
智歯周囲炎では以下のような症状が現れます。
- 奥歯のズキズキした痛み
- 歯ぐきの腫れ
- 噛むと痛い
- 口が開きにくい(開口障害)
- 飲み込みにくさ
- 口臭
- 発熱や倦怠感
軽症のうちは違和感程度ですが、進行すると顔が腫れるほど強い炎症になることもあります。
再発しやすい理由
智歯周囲炎は一度治っても再発しやすい病気です。
その理由は、
- 親知らずの位置が変わらない
- 清掃困難な構造が改善しない
- 体調によって免疫力が変化する
ためです。
歯ぐきの腫れと炎症
親知らずの痛みと非常に密接なのが「歯ぐきの腫れ」です。
腫れは炎症のサインであり、体が細菌と戦っている状態です。
腫れが起こるメカニズム
細菌が侵入すると、体は防御反応として血流を増やします。
その結果、
- 血管が拡張する
- 白血球が集まる
- 組織に水分が溜まる
ことで腫れが起こります。
腫れによる悪循環
腫れが起こると、
- 歯ブラシがさらに届かなくなる
- 食べかすがたまりやすくなる
- 細菌が増える
という悪循環に入ります。
そのため、自然に治ることが難しいケースもあります。
噛み合わせによる痛み
親知らずがまっすぐ生えていない場合、噛み合わせが原因で痛みが出ることがあります。
① 斜め・横向きの親知らず
手前の歯に引っかかるような形になると、
- 噛むたびに圧力がかかる
- 歯ぐきが挟まれる
- 骨に負担がかかる
ことで痛みが出ます。
② 対合歯との干渉
上と下の親知らずが正しく噛み合わない場合、
- 一方だけ強く当たる
- 不自然な力がかかる
ことで痛みや違和感が生じます。
③ 食事中だけ痛い場合
噛んだときだけ痛い場合は、
- 炎症の初期
- 噛み合わせの問題
- 軽度の歯周炎
などが考えられます。
むし歯による痛み
親知らずはむし歯になりやすい歯です。
なぜむし歯になりやすいのか
- 歯ブラシが届きにくい
- 斜めに生えていることが多い
- 歯と歯の間が狭い
- 汚れが残りやすい
という条件がそろっています。
親知らずのむし歯の特徴
親知らずのむし歯は、
- 気づきにくい
- 進行が早い
- 痛みが出た時には進行している
という特徴があります。
手前の歯への影響
特に重要なのは、
親知らずのむし歯が隣の第二大臼歯に広がることです。
この歯は噛む機能の中心であるため、失うと大きな影響があります。
隣の歯への影響
親知らずの問題は、親知らず自身だけでは終わりません。
圧迫によるダメージ
横向きの親知らずは手前の歯を押し続け、
- 歯根の吸収
- 歯周組織の破壊
- 骨の吸収
を引き起こすことがあります。
清掃不良による連鎖
親知らず周囲に汚れがたまると、
- 第二大臼歯の裏側にむし歯
- 歯周病の進行
が起こりやすくなります。
この部位は治療も難しいため、早期発見が重要です。
顎や頭痛、肩こりとの関連
親知らずの痛みは、歯だけにとどまらないことがあります。
① 顎の痛み
炎症が広がると、
- 咬筋
- 顎関節周囲
に負担がかかり、顎の痛みや開口障害が起こります。
② 頭痛との関係
親知らずの炎症は、
- こめかみ
- 側頭部
に痛みとして感じられることがあります。
これは神経のつながりによる「関連痛」です。
③ 肩こりとの関係
痛みや炎症が続くと、
- 噛みしめ
- 姿勢の変化
- 筋肉の緊張
が起こり、肩や首のこりにつながることがあります。
④ 関連痛の特徴
歯の痛みなのに、
- 歯が原因と分かりにくい
- 頭や耳が痛いように感じる
- 痛みの場所が移動する
といった特徴があります。
そのため、歯科以外の病気と間違われることもあります。
まとめ
親知らずの痛みは、単なる「歯の痛み」ではなく、
- 智歯周囲炎(炎症)
- むし歯
- 噛み合わせの異常
- 隣の歯への影響
- 神経を介した関連痛
など、複数の原因が複雑に関係して起こります。
特に多いのは智歯周囲炎であり、繰り返しやすいのが特徴です。
また、痛みが歯だけでなく顎や頭、肩に広がることもあるため、原因が分かりにくいケースも少なくありません。
親知らずの痛みは自然に改善しないことも多く、放置すると悪化する可能性があります。違和感や軽い痛みの段階で歯科を受診することで、重症化を防ぐことができます。
親知らずの痛みを正しく理解することは、早期対応と将来のトラブル予防につながります。
第4章 放置するとどうなる?
むし歯・歯周病・隣の歯への影響から全身への広がりまで詳しく解説
「親知らずが少し痛いけど、そのうち治るかもしれない」
「腫れたけど忙しいから様子を見ている」
「抜歯が怖いので、とりあえず放置している」
親知らずは、症状が軽いと「放っておいても大丈夫」と思われがちですが、実際には放置することでトラブルが進行しやすい歯の代表です。特に親知らずは奥に位置し、清掃が難しいため、気づかないうちに悪化していることも少なくありません。
この章では、親知らずを放置した場合に起こりうるリスクを、むし歯・歯周病・隣の歯への影響・口臭・骨への影響・炎症の拡大・生活への支障まで、分かりやすく詳しく解説します。
むし歯のリスク
親知らずで最も多いトラブルのひとつが「むし歯」です。
なぜ親知らずはむし歯になりやすいのか
親知らずは次のような特徴があります。
- 口の一番奥にある
- 歯ブラシが届きにくい
- 斜めや横向きに生えやすい
- 歯と歯の間が複雑
そのため、歯垢(プラーク)が残りやすく、むし歯菌が繁殖しやすい環境になります。
親知らずのむし歯の怖さ
親知らずのむし歯は、気づきにくいことが問題です。
- 初期はほぼ無症状
- 痛みが出た時には進行している
- 神経まで達しやすい
特に多いのが、「手前の歯と一緒にむし歯になる」ケースです。
隣の歯まで巻き込む
親知らずのむし歯は、隣の第二大臼歯に広がることがあります。この歯は噛む機能の中心であり、失うと咀嚼能力に大きな影響が出ます。
そのため、親知らず自体よりも「手前の健康な歯を守るために抜歯する」という判断がされることもあります。
歯周病のリスク
親知らずはむし歯だけでなく、歯周病の原因にもなります。
歯周病とは
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきが細菌によって破壊される病気です。
進行すると、
- 歯ぐきの腫れ
- 出血
- 骨の吸収
- 歯のぐらつき
が起こります。
親知らずと歯周病の関係
親知らずは特に、
- 清掃不良
- 細菌の蓄積
- 炎症の繰り返し
が起こりやすいため、歯周病の温床になりやすい部位です。
さらに厄介なのは、親知らずの前の歯にも歯周病が広がることです。
見えないところで進行する
親知らずの周囲は見えにくいため、
「気づいたときには骨が溶けていた」
というケースもあります。
歯周病は痛みが出にくい病気のため、静かに進行する点が非常に危険です。
隣接歯のダメージ
親知らずを放置することで最も問題となるのが、隣の歯への影響です。
圧迫によるダメージ
横向きや斜めの親知らずは、手前の第二大臼歯を押し続けます。
その結果、
- 歯の根が吸収される
- 歯ぐきが下がる
- 骨が破壊される
といったダメージが起こります。
第二大臼歯は重要な歯
第二大臼歯は、
- 噛む力の中心
- 食事の安定性に重要
な歯です。
ここを失うと、咀嚼機能が大きく低下します。
そのため、親知らずよりも「守るべき歯」として扱われます。
治療が難しくなる
親知らず由来のダメージは、
- 進行してからでは治療が難しい
- 骨の再生が限られる
- 抜歯後の回復も複雑
という特徴があります。
口臭の原因になることも
親知らずは口臭の原因になることがあります。
なぜ臭いが出るのか
原因は主に以下の3つです。
- 食べかすの停滞
- 細菌の増殖
- 歯周ポケットの炎症
これらが進行すると、硫黄のような臭い成分が発生します。
自覚しにくいのが特徴
口臭は自分では気づきにくく、
- 他人に指摘されて気づく
- マスクで気づく
- 歯科健診で指摘される
ことが多いです。
親知らず由来の口臭の特徴
- 奥の方から臭う感じがする
- 歯磨きしても改善しない
- 炎症時に強くなる
といった特徴があります。
顎の骨への影響
親知らずを放置すると、顎の骨にも影響が出ることがあります。
骨が溶けるとはどういうことか
炎症が続くと、体は細菌と戦うために免疫反応を起こします。
その結果、
- 骨を少しずつ吸収する細胞が働く
- 支えが弱くなる
という現象が起こります。
骨の吸収が起きる場所
特に、
- 親知らずの周囲
- 手前の第二大臼歯の周囲
で起こりやすくなります。
一度失った骨は戻りにくい
歯周組織は再生能力が限られているため、
- 骨の吸収
- 歯ぐきの後退
は完全には元に戻らないことがあります。
そのため早期対応が重要です。
炎症が広がる危険性
親知らずの炎症は、局所だけにとどまらないことがあります。
智歯周囲炎の進行
軽度の炎症でも放置すると、
- 歯ぐきの腫れ
- 顎の痛み
- 顔の腫れ
へと進行します。
重症化するとどうなるか
重症化すると、
- 口が開かない
- 飲み込みにくい
- 発熱
- 顔全体の腫れ
などが起こることがあります。
稀だが注意すべきケース
ごくまれに、炎症が顎の深い部分へ広がると、
- 重度の感染症
- 入院治療が必要
となるケースもあります。
日常生活への支障
親知らずの問題は、日常生活にも大きな影響を与えます。
食事への影響
- 噛むと痛い
- 片側でしか噛めない
- 固いものが食べられない
など、食生活の質が低下します。
会話・仕事への影響
- 口が開きにくい
- 発音しにくい
- 集中力の低下
など、社会生活にも影響が出ることがあります。
睡眠への影響
痛みが強い場合、
- 夜間痛
- 寝不足
- ストレス増加
につながることもあります。
精神的ストレス
繰り返す痛みや腫れにより、
- 不安
- イライラ
- 生活の質の低下
が起こることも少なくありません。
まとめ
親知らずを放置すると、
- むし歯の進行
- 歯周病の悪化
- 隣の歯へのダメージ
- 口臭の発生
- 顎の骨の吸収
- 炎症の拡大
- 日常生活への支障
など、さまざまな問題が連鎖的に起こる可能性があります。
特に注意すべきなのは、「痛みが軽いから大丈夫」と思っている間に進行してしまう点です。親知らずの病気は、症状が出たときにはすでに進行していることも多く、早期の対応が重要になります。
親知らずは「あること」自体が問題ではなく、「放置してどうなるか」が重要です。定期的な歯科検診を受けることで、将来的な大きなトラブルを防ぐことができます。
第5章 親知らずは必ず抜歯が必要?
抜歯の判断基準・年齢・妊娠・高齢者まで詳しく解説
「親知らずは必ず抜かなければいけませんか?」
「痛くないのに抜く必要はありますか?」
「妊娠前に抜いたほうがいいと言われました」
「高齢でも親知らずは抜けますか?」
親知らずについて最も多い疑問のひとつが「抜歯の必要性」です。結論から言うと、親知らずは“必ず抜く歯”ではありません。しかし一方で、状態によっては早期に抜歯したほうが良いケースもあります。
つまり親知らずは、「抜くかどうか」ではなく、「抜くべき状態かどうか」を見極めることが重要です。
この章では、抜歯が必要なケース、抜歯を検討すべきケース、抜かなくてもよいケースに加えて、年齢・妊娠・高齢者それぞれの注意点について詳しく解説します。
抜歯が必要なケース
まず最も明確に「抜歯が推奨されるケース」です。
① 何度も炎症を起こす(智歯周囲炎の反復)
親知らずの周囲が繰り返し腫れる場合は、抜歯が強く推奨されます。
理由は、
- 細菌がたまりやすい構造が変わらない
- 再発を防ぐことが難しい
- 痛みや腫れが繰り返される
ためです。
特に下の親知らずで多く見られます。
② むし歯が進行している
親知らず自体が大きくむし歯になっている場合、治療より抜歯が選ばれることが多くなります。
理由は、
- 奥すぎて治療が難しい
- 詰め物や被せ物の維持が困難
- 再発しやすい
ためです。
さらに手前の歯までむし歯が広がるリスクがある場合は、早期抜歯が検討されます。
③ 隣の歯に悪影響が出ている
親知らずが斜めや横向きに生えている場合、手前の第二大臼歯に悪影響を与えることがあります。
具体的には、
- 歯の根が溶ける(歯根吸収)
- むし歯の進行
- 歯周病の悪化
などです。
第二大臼歯は非常に重要な歯であり、これを守るために親知らずを抜く判断がされます。
④ 完全埋伏でも病変がある
骨の中に埋まっている親知らずでも、
- 嚢胞(のうほう)
- 骨の吸収
- 周囲組織への圧迫
などがある場合は抜歯対象となります。
抜歯を検討したほうがよいケース
次に「将来的に問題になる可能性があるため、抜歯を検討するケース」です。
① 清掃が難しい親知らず
現時点で症状がなくても、
- 歯ブラシが届かない
- 半分だけ出ている
- 斜めに生えている
場合は、将来的にむし歯や炎症のリスクがあります。
② 矯正治療に影響する可能性がある
矯正治療を予定している場合や終了直後では、
- 奥歯の安定性
- スペースの問題
- 後戻りリスク
などを考慮して抜歯が検討されることがあります。
ただし「必ず抜く」わけではなく、症例ごとに判断されます。
③ 将来トラブルが予想される場合
今は問題がなくても、
- 横向きで埋まっている
- 隣の歯に近い位置にある
- 成長途中で方向が不安定
などの場合は、将来のリスクを考えて抜歯することがあります。
抜歯しなくてもよいケース
すべての親知らずを抜く必要はありません。
① まっすぐ正常に生えている
親知らずがきれいに並び、噛み合わせに参加している場合は、抜歯は不要です。
- 清掃が可能
- 炎症がない
- 機能している
場合はそのまま維持されることが多いです。
② 完全に骨の中で問題がない
埋まっていても、
- 症状がない
- 病変がない
- 周囲への影響がない
場合は経過観察となります。
③ 高齢でリスクが高い場合
年齢や全身状態によっては、抜歯のリスクがメリットを上回る場合があります。
その場合は無理に抜歯せず、保存的に経過観察することもあります。
年齢と抜歯の関係
親知らずの抜歯は「年齢」によって難易度やリスクが変わります。
若いほど抜きやすい理由
10代後半〜20代前半は、
- 骨が柔らかい
- 歯の根が完成していない場合がある
- 治癒が早い
ため、抜歯の負担が比較的少なくなります。
30代以降の変化
30代以降になると、
- 骨が硬くなる
- 歯根がしっかり完成する
- 治癒に時間がかかる
ため、抜歯がやや難しくなります。
高齢になるほど注意が必要
高齢になると、
- 全身疾患の影響
- 骨の治癒能力低下
- 感染リスク増加
があり、抜歯の判断はより慎重になります。
妊娠前後の親知らず管理
妊娠は親知らずのトラブルが起こりやすい時期です。
妊娠前に確認すべき理由
妊娠中は、
- レントゲン撮影の制限
- 薬の使用制限
- 抜歯処置の制限
があるため、事前のチェックが重要です。
妊娠中に起こりやすい問題
ホルモンバランスの変化により、
- 歯ぐきの腫れやすさ
- 智歯周囲炎の発症
- 出血しやすさ
が起こります。
妊娠中の対応
基本的には応急処置が中心で、
- 消炎処置
- 痛みのコントロール
が行われ、抜歯は緊急時を除き避けられることが多いです。
産後の対応
出産後に落ち着いてから抜歯を検討するケースが多くなります。
高齢者の親知らず対応
高齢者では「抜くか残すか」の判断がより慎重になります。
高齢者で多い特徴
- 長年無症状の埋伏歯
- 骨の中に完全に埋まっている
- 全身疾患を持つことが多い
無理に抜かない理由
高齢者では、
- 手術リスク
- 治癒遅延
- 感染リスク
が上昇するため、無症状であれば経過観察が選ばれることもあります。
ただし注意が必要な場合
以下のような場合は高齢でも抜歯が検討されます。
- 痛みや腫れを繰り返す
- 嚢胞がある
- 隣の歯に悪影響がある
高齢者の治療方針の基本
高齢者では、
「治療の利益 > 体への負担」
である場合のみ抜歯が検討されます。
まとめ
親知らずは「必ず抜く歯」ではありませんが、「状態によって抜くべき歯」です。
- 抜歯が必要なケース:炎症反復・むし歯進行・隣の歯への悪影響など
- 検討すべきケース:清掃困難・将来リスク・矯正関連
- 抜かなくてよいケース:正常萌出・無症状埋伏・高齢でリスク高い場合
さらに年齢や妊娠・全身状態によっても判断は大きく変わります。
重要なのは「親知らずがあるかどうか」ではなく、「今と将来にとって問題になるかどうか」です。
不安な場合は、レントゲン検査によって状態を確認し、歯科医師と相談しながら最適なタイミングと方法を選ぶことが大切です。
第6章 親知らず抜歯の流れ
診査から抜歯後の回復までを分かりやすく解説
「親知らずを抜くことになったけど、何をするのか分からなくて不安」
「痛いのか、どれくらい時間がかかるのか知りたい」
「抜歯後はどれくらい腫れるの?」
親知らずの抜歯は、多くの方にとって初めての外科処置であり、不安を感じやすい治療のひとつです。しかし、実際の流れを事前に知っておくことで、恐怖や不安は大きく軽減できます。
この章では、診査・診断からレントゲンやCTの役割、抜歯当日の流れ、麻酔、抜歯後の注意点、そして回復までの期間について、患者さん向けに分かりやすく解説します。
診査・診断
親知らずの抜歯は、まず「抜くべきかどうか」を判断することから始まります。
歯科医院では以下のような診査を行います。
① 問診
まず患者さんから、
- 痛みの有無
- 腫れの頻度
- これまでの症状
- 全身の病気や服薬状況
などを確認します。
特に、
- 糖尿病
- 高血圧
- 抗凝固薬の使用
などは抜歯の方法や安全性に関わるため重要です。
② 口腔内診査
実際にお口の中を確認し、
- 親知らずの見え方
- 歯ぐきの状態
- 腫れや出血の有無
- 清掃状態
をチェックします。
ただし、見える範囲だけでは正確な判断はできないため、次にレントゲン検査が必要になります。
レントゲン検査の重要性
親知らずの診断において、レントゲンは最も重要な検査です。
パノラマレントゲンとは
一般的に撮影されるのが「パノラマレントゲン」です。
これは口全体を一枚の画像で写すもので、
- 親知らずの位置
- 生え方
- 周囲の骨の状態
- 隣の歯との関係
を把握できます。
レントゲンで分かること
レントゲンでは以下が確認できます。
- 横向きか、斜めか、まっすぐか
- 骨の中にどの程度埋まっているか
- 歯の根の形
- 神経との距離
特に下顎では「下歯槽神経」との位置関係が重要です。
なぜ重要なのか
親知らずの抜歯は単純に「歯を抜く」だけではなく、
- 神経損傷のリスク
- 骨の切削の必要性
- 手術の難易度
を事前に評価する必要があります。
そのためレントゲンは欠かせない検査です。
CT撮影が必要な場合
より詳しい診断が必要な場合には「CT撮影」を行うことがあります。
CTとは
CTは三次元的に顎の骨や歯を立体的に見る検査です。
CTが必要になるケース
以下のような場合に撮影されます。
- 親知らずが神経に近い
- 横向きに深く埋まっている
- 根の形が複雑
- 抜歯の難易度が高いと予想される
CTで分かること
CTでは、
- 神経との距離(立体的)
- 骨の厚み
- 歯の傾きの正確な角度
- 周囲組織との関係
が詳しく分かります。
これにより、安全性の高い治療計画が立てられます。
抜歯当日の流れ
親知らずの抜歯は、一般的に以下の流れで行われます。
① 再確認と説明
当日、まず体調や症状を確認し、
- 抜歯内容
- 予想される時間
- 注意事項
の説明を受けます。
② 麻酔
局所麻酔を行います。
詳細は後述しますが、痛みを感じない状態にしてから処置を行います。
③ 抜歯処置
親知らずの状態に応じて方法が変わります。
- まっすぐ:そのまま抜歯
- 斜め:歯を分割して抜歯
- 横向き:歯ぐきを切開・骨を削って抜歯
処置時間は10分〜60分程度が一般的です。
④ 止血処置
抜歯後はガーゼを噛んで圧迫止血を行います。
通常は30分〜1時間程度で安定します。
⑤ 術後説明
帰宅前に、
- 注意事項
- 薬の服用方法
- 次回の受診
について説明があります。
麻酔について
親知らずの抜歯で使われるのは「局所麻酔」です。
痛みはあるのか?
麻酔がしっかり効いていれば、抜歯中の痛みはほとんどありません。
感じるのは、
- 押される感覚
- 揺れる感覚
程度です。
麻酔の流れ
- 表面麻酔(針の痛みを軽減)
- 注射麻酔
- 数分で感覚がなくなる
という流れです。
麻酔の持続時間
一般的に2〜4時間程度持続します。
その間は、
- 食事に注意
- 唇や頬を噛まないよう注意
が必要です。
抜歯後の注意点
抜歯後の過ごし方は非常に重要です。
① 強くうがいしない
血のかたまり(血餅)は治癒に重要です。
強いうがいをすると、
- 出血が続く
- 治りが遅くなる
可能性があります。
② 運動・入浴を控える
血流が増えると出血しやすくなるため、
- 激しい運動
- 長時間の入浴
は避けます。
③ 食事の注意
当日は柔らかい食事を中心にします。
- おかゆ
- スープ
- ゼリー
などが適しています。
④ 喫煙・飲酒は禁止
喫煙は治癒を遅らせ、感染リスクを高めます。
飲酒も出血や腫れの原因になります。
回復までの期間
親知らず抜歯後の回復には段階があります。
① 当日〜2日目
- 出血の可能性
- 痛みのピーク
- 腫れの始まり
② 3〜5日目
- 腫れのピーク(特に下顎)
- 痛みは徐々に軽減
③ 1週間前後
- 腫れが引いてくる
- 抜糸(縫合した場合)
④ 2週間以降
- ほぼ日常生活に戻る
- 違和感が軽減
⑤ 完全な治癒
骨の治癒には数ヶ月かかることもありますが、日常生活に支障はありません。
よくある不安について
「仕事や学校は休むべき?」
軽度の抜歯なら翌日から可能な場合もありますが、
- 腫れやすい人
- 下顎の埋伏抜歯
では1〜3日程度の休みを推奨されることもあります。
「腫れは必ず出る?」
個人差があります。
- 軽い腫れで済む人
- 大きく腫れる人
どちらも正常な反応です。
「痛み止めで足りる?」
多くの場合、処方された鎮痛薬でコントロール可能です。
まとめ
親知らずの抜歯は、
- 診査・診断
- レントゲン・CT評価
- 安全な麻酔
- 状態に応じた抜歯処置
- 術後管理
という流れで行われます。
事前にしっかり検査を行い、適切な方法で処置することで、安全性は高く保たれています。
また、抜歯後の過ごし方によって治り方は大きく変わるため、指示を守ることが非常に重要です。
親知らずの抜歯は不安を感じやすい処置ですが、流れを理解することで安心して受けることができます。
第7章 抜歯後に起こりうる症状
腫れ・痛み・出血からドライソケット・神経症状まで詳しく解説
親知らずの抜歯が終わったあと、多くの方が最も気になるのが「その後どんな症状が出るのか」という点です。
「腫れはどれくらい続くのか」
「痛みは普通なのか」
「出血が止まらないのは大丈夫か」
「しびれが残ることはあるのか」
抜歯後の症状には“正常な経過”と“注意が必要な異常”があり、それを知っているかどうかで安心感が大きく変わります。
この章では、親知らず抜歯後に起こりうる代表的な症状とその意味、そして受診が必要なサインまで、患者さん向けに分かりやすく解説します。
腫れ
抜歯後に最もよく見られるのが「腫れ」です。
なぜ腫れるのか
腫れは、体の正常な防御反応です。抜歯によって組織が傷つくと、
- 血流が増える
- 白血球が集まる
- 修復のための反応が起こる
ことで腫れが生じます。
これは「炎症反応」の一部であり、治癒の過程でもあります。
腫れのピーク
一般的には以下の経過をたどります。
- 当日:まだ軽い
- 1〜2日目:徐々に腫れ始める
- 2〜3日目:ピーク
- 4日目以降:徐々に改善
特に下の親知らずや骨を削ったケースでは腫れが強く出やすい傾向があります。
腫れの程度の個人差
腫れ方には大きな個人差があります。
- ほとんど腫れない人
- 頬が少しふくらむ程度の人
- 片側が大きく腫れる人
どれも異常ではなく、体質や手術の難易度による違いです。
痛み
抜歯後の痛みは、多くの方が経験しますが、通常はコントロール可能です。
痛みの原因
痛みの主な原因は、
- 傷口の炎症
- 神経の刺激
- 骨や歯ぐきの修復反応
です。
痛みのピーク
痛みは腫れと同様に、
- 当日〜翌日:徐々に出る
- 2〜3日目:ピーク
- 1週間程度で軽減
することが一般的です。
痛み止めの役割
処方される鎮痛薬は、
- 炎症を抑える
- 痛みの伝達を抑制する
ことで、日常生活に支障が出ないようにします。
注意点
痛み止めが効かないほど強い痛みが続く場合は、後述する「ドライソケット」の可能性があります。
出血
抜歯後には必ず一定の出血があります。
正常な出血
通常は、
- 数時間のにじむ程度の出血
- ガーゼで圧迫すると止まる
程度です。
血が止まる仕組み
抜歯後は「血餅(けっぺい)」という血のかたまりができ、
- 傷口を保護する
- 新しい組織の土台になる
役割を果たします。
注意すべき出血
以下の場合は注意が必要です。
- ガーゼを噛んでも止まらない
- 血が口の中に溜まる
- 翌日も出血が続く
このような場合は歯科医院への連絡が必要です。
出血を悪化させる行動
- 強いうがい
- 長風呂
- 激しい運動
- 飲酒・喫煙
は出血を悪化させる原因になります。
口が開きにくい症状(開口障害)
抜歯後に「口が開かない」と感じることがあります。
原因
これは主に、
- 咬筋の炎症
- 顎周囲の腫れ
- 手術による筋肉の刺激
によって起こります。
どのくらい続く?
- 軽度:数日で改善
- 中等度:1週間前後
- 重度(下の親知らず):やや長引くこともある
日常生活への影響
- 食事がしにくい
- 歯磨きが困難
- 会話時の違和感
が出ることがありますが、多くは一時的です。
ドライソケットとは
抜歯後のトラブルの中で特に強い痛みを伴うのが「ドライソケット」です。
ドライソケットとは
本来できるはずの「血餅(かさぶた)」が失われ、
- 骨が露出した状態
- 傷口が保護されていない状態
になることで起こります。
症状
- 強いズキズキした痛み
- 鎮痛薬が効きにくい
- 抜歯後2〜5日で痛みが悪化
- 口臭を伴うこともある
原因
主な原因は、
- 強いうがい
- 喫煙
- 血餅の脱落
- 感染
などです。
治療
ドライソケットは自然治癒しにくいため、
- 洗浄
- 薬剤の貼付
- 痛みのコントロール
などの処置が必要になります。
神経への影響について
特に下の親知らずでは「神経への影響」が重要なポイントです。
下歯槽神経とは
下顎の中には「下歯槽神経」という神経が通っており、
- 下唇
- あご
- 歯の感覚
を支配しています。
起こりうる症状
抜歯後にまれに、
- 唇のしびれ
- あごの違和感
- 感覚の鈍さ
が起こることがあります。
一時的なものが多い
多くの場合は、
- 神経の圧迫
- 炎症による一時的な影響
であり、数日〜数週間で改善することが多いです。
まれに長引く場合
非常にまれですが、
- 神経損傷
- 回復に時間がかかるケース
もあります。
そのため事前のCT検査が重要になります。
受診が必要な症状
以下の症状がある場合は、早めの受診が必要です。
① 強い痛みが続く
- 痛み止めが効かない
- 日ごとに悪化する
→ ドライソケットの可能性
② 出血が止まらない
- ガーゼでも止まらない
- 口の中が血でいっぱいになる
③ 強い腫れと発熱
- 顔が大きく腫れる
- 発熱を伴う
→ 感染の可能性
④ しびれが続く
- 唇やあごの感覚異常
- 数日経っても改善しない
⑤ 口が全く開かない
- 食事ができない
- 悪化している
まとめ
親知らずの抜歯後には、
- 腫れ
- 痛み
- 出血
- 開口障害
などの症状が多く見られますが、これらの多くは正常な治癒過程です。
一方で、
- ドライソケット
- 感染
- 神経症状
- 異常出血
などは注意が必要な異常経過です。
重要なのは、「どこまでが正常で、どこからが異常か」を知っておくことです。
正しい知識があれば、抜歯後の不安は大きく軽減され、安心して回復を待つことができます。
第8章 歯科検診の重要性
親知らずを含めた口腔の健康を守るための定期管理の意味
「痛くないから歯医者に行かなくても大丈夫」
「問題が出てから受診すればいい」
「親知らずは今困っていないから様子を見ている」
こうした考え方は決して珍しくありません。しかし、親知らずを含む歯のトラブルの多くは、“症状が出た時にはすでに進行している”という特徴があります。つまり、痛みが出てからでは遅いケースも少なくありません。
この章では、歯科検診の重要性、痛みがなくても受診すべき理由、レントゲンでしか分からない問題、親知らずの経過観察、早期発見のメリット、そして健康寿命との関係まで、患者さん向けに分かりやすく解説します。
なぜ定期検診が必要なのか
歯科検診の目的は「治療」ではなく「予防」と「早期発見」です。
歯の病気は“静かに進行する”
むし歯や歯周病、そして親知らずの炎症は、初期段階ではほとんど痛みがありません。
- むし歯:初期はしみない
- 歯周病:出血しても痛くない
- 親知らず:違和感だけで終わることもある
そのため、自覚症状だけでは気づけないまま進行してしまうのが特徴です。
症状が出た時には進行している
痛みが出る頃には、
- 神経に達したむし歯
- 骨が溶けた歯周病
- 強い炎症を起こした親知らず
など、すでに治療が必要な状態になっていることが多くあります。
定期検診の役割
定期検診では、
- 小さな異常の発見
- 進行前の予防処置
- 清掃状態の改善
を行うことで、大きな治療を防ぐことができます。
痛みがなくても受診すべき理由
「痛くない=健康」とは限りません。
① 見えない場所で問題が進行する
特に親知らずは、
- 口の一番奥にある
- 半分埋まっていることが多い
- 歯ブラシが届きにくい
ため、自分では状態を確認できません。
② 痛みが出ない病気が多い
歯周病や初期むし歯は、痛みが出にくい病気です。
気づいた時には、
- 歯を支える骨が減っている
- 大きな治療が必要
というケースもあります。
③ 定期検診は“予防のタイミング”
問題が起きてからではなく、
- 起きる前に防ぐ
- 軽い段階で対処する
ことが、歯科検診の最大の目的です。
レントゲンでしか分からない問題
親知らずの評価において、レントゲンは非常に重要です。
見た目では分からないこと
口の中を見ただけでは、
- 骨の中の親知らず
- 神経との距離
- 歯の傾き
- 隣の歯への影響
は判断できません。
レントゲンで分かる情報
レントゲンでは、
- 親知らずの向き(横・斜め・埋伏)
- 骨の中の深さ
- むし歯の有無
- 隣の歯の状態
などが確認できます。
CTの役割
必要に応じてCTを撮影することで、
- 神経との距離
- 立体的な位置関係
- 抜歯の難易度
をより正確に把握できます。
親知らずの経過観察
親知らずは「抜くか残すか」だけではなく、「観察する」という選択も重要です。
経過観察とは
すぐに治療や抜歯を行わず、
- 定期的に状態を確認する
- 変化がないかを見る
- 必要時に対応する
という方法です。
経過観察が適しているケース
- 症状がない
- 真っ直ぐ生えている
- 骨の中で問題がない
- 清掃が可能
などの場合です。
経過観察の重要性
親知らずは時間とともに状態が変化するため、
- 向きが変わる
- 炎症が出る
- むし歯になる
などの変化を早く察知することが大切です。
早期発見・早期治療のメリット
歯科領域では「早く見つけること」が非常に重要です。
① 治療が軽く済む
早期発見できれば、
- 小さな処置で済む
- 抜歯が簡単になる
- 通院回数が少ない
などのメリットがあります。
② 痛みや腫れを防げる
問題が大きくなる前に対処することで、
- 強い痛み
- 顔の腫れ
- 発熱
などを防ぐことができます。
③ 合併症の予防
親知らずの場合、
- 隣の歯のむし歯
- 歯周病の進行
- 骨の吸収
などを防ぐことができます。
将来的な治療負担の軽減
早期対応は、長期的に見ると大きなメリットがあります。
① 治療費の軽減
軽度のうちに治療すれば、
- 複雑な手術が不要
- 入院のリスクが減る
- 再治療が少ない
という利点があります。
② 通院回数の減少
早期対応は治療期間も短くなり、
- 忙しい人でも負担が少ない
- 生活への影響が小さい
というメリットがあります。
③ 歯を守ることにつながる
特に重要なのは、
「親知らずだけでなく手前の歯を守る」
という点です。
第二大臼歯を失うと、将来的な負担は非常に大きくなります。
健康寿命との関係
歯の健康は、全身の健康と密接に関係しています。
噛む力と健康
しっかり噛めることは、
- 栄養摂取
- 消化機能
- 脳の活性化
に影響します。
歯の本数と生活の質
歯が少なくなると、
- 食べられるものが制限される
- 栄養バランスが崩れる
- 生活の満足度が低下する
ことがあります。
親知らずも含めた管理の意味
親知らずは直接噛む機能に関与しない場合もありますが、
- 隣の歯を守る
- 炎症を防ぐ
- 口腔環境を整える
という点で重要な役割を持っています。
健康寿命への影響
口の健康が保たれることで、
- 食事を楽しめる
- 社会生活が維持できる
- 全身の健康が保たれる
といった“健康寿命の延長”につながります。
まとめ
歯科検診は「痛くなってから行く場所」ではなく、「問題を防ぐために行く場所」です。
親知らずを含む口腔内の問題は、
- 痛みがないまま進行する
- レントゲンで初めて分かる
- 放置すると治療が大きくなる
という特徴があります。
そのため定期検診によって、
- 早期発見
- 早期治療
- 予防管理
を行うことが非常に重要です。
結果としてそれは、
- 将来の治療負担の軽減
- 歯の寿命の延長
- 健康寿命の維持
につながります。
親知らずを含めた口腔管理は、単なる歯の問題ではなく、人生全体の健康に関わる重要な習慣です。
第9章 親知らずと予防歯科
セルフケア・歯磨き・生活習慣・定期クリーニングまで詳しく解説
親知らずのトラブルは、「ある日突然痛くなるもの」と思われがちですが、実際にはその多くが“日々の口腔環境の積み重ね”によって起こります。特に親知らずは、口の一番奥に位置し、清掃が難しいため、予防の差が症状の差に直結しやすい歯です。
つまり親知らずの健康管理は、「治療」よりも「予防」が圧倒的に重要です。
この章では、毎日のセルフケアの基本から、正しい歯磨き方法、フロスや歯間ブラシの使い方、定期クリーニングの効果、生活習慣の影響、そして若いうちから予防管理を行う重要性まで、分かりやすく解説します。
毎日のセルフケア
親知らずのトラブル予防の基本は、毎日のセルフケアです。
なぜセルフケアが重要なのか
親知らずの周囲は、
- 歯ブラシが届きにくい
- 汚れが残りやすい
- 細菌が増えやすい
という特徴があります。
そのため、放置すると短期間でも炎症が起こることがあります。
セルフケアの目的
セルフケアの目的は、
- 細菌の増殖を防ぐ
- 炎症の原因を減らす
- むし歯・歯周病を予防する
ことです。
特に親知らずは“予防できるかどうか”が将来の抜歯リスクに直結します。
正しい歯磨き方法
歯磨きは最も基本的な予防方法ですが、親知らずのケアには「磨き方の工夫」が必要です。
① 奥歯のさらに奥を意識する
親知らずは通常の歯よりさらに奥にあるため、
- 歯ブラシを横から入れる
- 斜め45度に当てる
- 小刻みに動かす
ことが重要です。
② 力を入れすぎない
強く磨くと、
- 歯ぐきが傷つく
- 逆に炎症が起きやすくなる
ため、やさしく磨くことが大切です。
③ 歯ぐきとの境目を重点的に
親知らずのトラブルは多くが歯ぐき周囲から始まるため、
- 歯と歯ぐきの境目
- 半分埋まっている部分
を特に丁寧に磨く必要があります。
④ 歯ブラシの選び方
親知らず周囲には、
- ヘッドが小さい歯ブラシ
- 毛先が細いタイプ
が適しています。
フロス・歯間ブラシの活用
歯ブラシだけでは、親知らず周囲の汚れは完全には落とせません。
フロスの役割
デンタルフロスは、
- 歯と歯の間の汚れを除去
- 歯ブラシの届かない部分を清掃
するために重要です。
親知らずと手前の歯の間は特に汚れが残りやすい場所です。
歯間ブラシの活用
歯間ブラシは、
- 歯ぐきが下がっている部分
- 隙間がある部位
に有効です。
ただし無理に入れると歯ぐきを傷つけるため、サイズ選びが重要です。
使用のポイント
- 1日1回で十分
- 夜の使用が効果的
- 無理に力を入れない
ことが大切です。
定期クリーニングの効果
セルフケアだけでは限界があるため、歯科医院での定期クリーニングが重要になります。
プロフェッショナルケアとは
歯科医院では、
- 歯石除去(スケーリング)
- 専用器具による清掃
- 歯面の研磨
などを行います。
親知らずに対する効果
定期クリーニングでは、
- 自分では届かない汚れを除去
- 炎症の原因を減らす
- むし歯リスクを低下
させることができます。
どれくらいの頻度が良いか
一般的には、
- 3〜6ヶ月に1回
が目安とされています。
ただし親知らずに問題がある場合は、より短い間隔が推奨されることもあります。
生活習慣と口腔環境
親知らずの状態は、生活習慣とも深く関係しています。
① 食生活
糖分の多い食事は、
- むし歯菌の増殖
- プラーク形成の促進
につながります。
特に、
- 間食が多い
- 甘い飲み物を頻繁に飲む
場合は注意が必要です。
② 喫煙
喫煙は、
- 歯ぐきの血流低下
- 治癒力の低下
- 炎症の悪化
を引き起こし、親知らずのトラブルを悪化させます。
③ ストレス
ストレスは、
- 免疫力の低下
- 食いしばりの増加
につながり、親知らずの炎症を悪化させることがあります。
④ 睡眠不足
睡眠不足は免疫機能を低下させ、
- 炎症が治りにくい
- 感染しやすい
状態を作ります。
若いうちからの予防管理
親知らずの管理は、年齢が若いほど重要です。
若年期の特徴
10代後半〜20代は、
- 親知らずが生え始める時期
- 歯列がまだ安定していない時期
- 炎症が起こりやすい時期
です。
早期管理のメリット
若いうちに管理することで、
- 抜歯が簡単になる
- 炎症を防げる
- 将来の歯の喪失を防げる
といったメリットがあります。
見逃しやすい時期でもある
若い世代は症状が軽く、
- 少しの違和感を放置しやすい
- 忙しくて受診しない
傾向があります。
そのため、定期検診が特に重要です。
予防歯科の本質
予防歯科の目的は、
- 病気にならないこと
- 早く見つけること
- 軽く済ませること
です。
親知らずにおける予防の意味
親知らずは特に、
- トラブルが起こりやすい
- 放置すると悪化しやすい
- 抜歯が必要になることが多い
ため、予防の効果が非常に大きい歯です。
まとめ
親知らずの健康を守るためには、
- 毎日の丁寧なセルフケア
- 正しい歯磨き方法
- フロス・歯間ブラシの活用
- 定期的なプロフェッショナルケア
- 生活習慣の見直し
が重要です。
特に親知らずは自分では見えにくく、トラブルが起こりやすい場所であるため、「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題を起こさないための管理」が欠かせません。
若いうちから予防意識を持つことで、将来的な抜歯リスクや治療負担を大きく減らすことができます。親知らずの管理は、単なる歯のケアではなく、生涯の口腔健康を守るための重要な習慣です。
第10章 よくある質問(Q&A)
親知らずに関する不安と疑問を分かりやすく解説
親知らずについての説明を受けても、「結局自分は抜いたほうがいいのか」「痛みはどれくらいなのか」「生活にどんな影響があるのか」など、細かな疑問や不安は残りやすいものです。
この章では、患者さんから特によく聞かれる質問をQ&A形式で整理し、実際の判断の考え方や生活への影響について分かりやすく解説します。
Q1. 親知らずが痛くなくても抜くべきですか?
結論から言うと、「痛くない=抜かなくていい」とは限りません。
親知らずは、痛みがなくても以下のような問題を抱えていることがあります。
- 横向きや斜めに生えている
- 歯ぐきの中に半分埋まっている
- 清掃が難しく汚れがたまりやすい
- 手前の歯に悪影響を与えている
これらは、まだ症状が出ていない“潜在的なリスク”です。
特に重要なのは、症状が出てからでは遅いケースがあるという点です。
ただし、すべての親知らずを抜く必要はありません。
- まっすぐ生えている
- 清掃が十分できている
- 問題がない
このような場合は経過観察になることもあります。
Q2. 親知らずがあると必ず歯並びが悪くなりますか?
これは非常に多い誤解ですが、答えは**「必ずではありません」**です。
歯並びは親知らずだけで決まるものではなく、
- 顎の大きさ
- 歯の大きさ
- 舌の力
- 加齢変化
- 生活習慣
など多くの要因が関係しています。
親知らずは「影響の一因になる可能性はある」が正確な表現です。
特に、
- 横向きに生えている
- スペースが極端に少ない
場合には影響する可能性がありますが、前歯のガタつきがすべて親知らずのせいになることは多くありません。
Q3. 親知らずの抜歯は痛いですか?
抜歯中の痛みについては、基本的に局所麻酔を行うため強い痛みはありません。
感じるのは主に、
- 押される感覚
- 揺れる感覚
です。
ただし、個人差はあります。
麻酔が切れた後は?
麻酔が切れた後に痛みが出ることがありますが、これは正常な反応です。
- 痛み止めでコントロール可能
- 数日で軽減することが多い
- 徐々に改善する
という経過が一般的です。
痛みが強い場合
まれに、
- ドライソケット
- 炎症の悪化
などで強い痛みが出ることもあります。その場合は再受診が必要です。
Q4. 仕事や学校は休むべきですか?
抜歯の内容によって異なります。
軽いケース(まっすぐな親知らず)
- 翌日から仕事・学校が可能なことも多い
- 腫れも少ない
難しいケース(横向き・埋伏)
- 1〜3日程度休むことが推奨される場合あり
- 腫れや痛みが出やすい
ポイント
重要なのは「休むべきかどうか」ではなく、
**“無理をしない予定調整ができるかどうか”**です。
Q5. 抜歯後いつから食事できますか?
基本的には、麻酔が切れた後から食事は可能です。
ただし注意点があります。
当日の食事
- やわらかいもの(おかゆ・スープ・豆腐など)
- 反対側で噛む
- 熱いものは避ける
避けたほうがよいもの
- 硬い食べ物(せんべい・ナッツなど)
- 刺激物(辛いもの)
- 小さな粒が入るもの(ゴマ・米粒などが傷に入る)
ポイント
食事制限は「栄養制限」ではなく、
傷口を守るための工夫です。
Q6. 抜歯後に運動してもよいですか?
抜歯直後の運動は基本的に控える必要があります。
理由
運動すると、
- 血流が増える
- 出血しやすくなる
- 腫れが強くなる
ためです。
目安
- 当日〜翌日:運動禁止
- 軽い運動:2〜3日後から徐々に
- 激しい運動:腫れが引いてから
特に注意すべき運動
- ランニング
- 筋トレ
- サッカーやバスケットなどの接触スポーツ
Q7. 妊娠中でも抜歯できますか?
結論としては、状況に応じて可能ですが慎重に判断されます。
妊娠中の特徴
妊娠中は、
- ホルモン変化で歯ぐきが腫れやすい
- 免疫が変化する
- 薬の使用に制限がある
という特徴があります。
抜歯が行われるケース
- 強い痛みや腫れがある(緊急性あり)
- 感染が広がるリスクがある
基本的な方針
- 緊急でない場合は避けることが多い
- 応急処置で炎症を抑える
- 出産後に抜歯を検討
妊娠前の歯科チェックが重要な理由
妊娠前に、
- 親知らずの状態確認
- 必要な抜歯の検討
を行うことで、妊娠中のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
親知らずに関する疑問の多くは、
- 「抜くべきかどうか」
- 「痛みはどの程度か」
- 「生活に支障があるか」
という点に集中しています。
しかし実際には、
- 親知らずの状態
- 生え方
- 症状の有無
- 全身の状況
によって判断は大きく異なります。
重要なのは、一般論ではなく自分の親知らずの状態を正しく知ることです。
疑問がある場合は、自己判断せず歯科医院で診断を受けることで、最も安全で負担の少ない選択が可能になります。
おわりに
親知らずとの上手な付き合い方と、これからの口腔ケアの考え方
親知らずは、多くの人にとって「いずれ抜く歯」「痛くなる歯」というイメージを持たれがちです。しかし実際には、親知らずそのものが必ず問題を起こすわけではなく、「どう生えているか」「どのように管理されているか」によって、その役割もリスクも大きく変わります。
これまでの章で見てきたように、親知らずはむし歯や歯周病、炎症、隣の歯への影響、さらには日常生活への支障など、さまざまな問題と関係しています。一方で、正しく管理されていれば大きなトラブルを起こさずに経過するケースもあります。
この「差」を生むのは、偶然ではなく“日々の意識と定期的な管理”です。
親知らずとの上手な付き合い方
親知らずとの付き合い方で最も大切なのは、「敵か味方か」で判断しないことです。親知らずは本来、必ずしも悪者ではありません。しかし、環境によっては問題のきっかけになりやすい歯でもあります。
① 「放置する」のではなく「観察する」
親知らずに対して最も避けたいのは、無関心のまま放置することです。
痛みがない状態でも、
- 向きが変わる
- 歯ぐきの状態が悪化する
- 隣の歯に影響が出る
といった変化は少しずつ進行することがあります。
そのため重要なのは「放置」ではなく定期的な観察(経過管理)です。
② 問題が出る前に判断する
親知らずの特徴として、症状が出てからでは治療が大きくなることがあります。
例えば、
- 軽い違和感のうちに対応すれば簡単な処置で済む
- 痛みや腫れが強くなると抜歯が複雑になる
というように、同じ親知らずでもタイミングで負担が変わります。
つまり、「様子を見る」のではなく「変化を早く見つける」ことが重要です。
③ 清掃と予防の習慣を持つ
親知らずは特に清掃が難しい場所です。
- 歯ブラシが届きにくい
- 食べかすが残りやすい
- 炎症が起きやすい
このため、日常のケアが非常に重要です。
完全に防ぐことは難しくても、リスクを減らすことは十分可能です。
定期的な歯科検診が未来の歯を守る
親知らずの管理において、最も重要な柱が「定期歯科検診」です。
痛みがない時こそ受診する意味
多くの歯科疾患は、痛みが出る頃には進行しています。
- むし歯:神経まで進行していることがある
- 歯周病:骨が減っていることがある
- 親知らず:炎症が慢性化していることがある
そのため、「痛くないから大丈夫」ではなく、痛くない時にこそチェックすることが重要です。
レントゲンでしか分からない情報
親知らずは目で見える情報だけでは判断できません。
レントゲンでは、
- 骨の中の状態
- 歯の向き
- 隣の歯への影響
- 神経との距離
などが分かります。
つまり、親知らずのリスクは“見えない部分にある”ことが多いのです。
定期検診の本当の価値
定期検診は「問題を見つける場」ではなく、
- 問題を未然に防ぐ
- 小さな変化で対応する
- 将来の大きな治療を避ける
ためのものです。
結果として、
- 抜歯の負担軽減
- 治療回数の減少
- 医療費の削減
- 歯の寿命延長
につながります。
気になる症状があれば早めの相談を
親知らずのトラブルでよく見られるのは、「もう少し様子を見よう」と判断してしまうケースです。しかし親知らずは、待つことで改善することは少なく、むしろ悪化することの方が多い歯です。
早めの相談が重要な理由
早期に相談することで、
- 軽い処置で済む可能性が高い
- 痛みや腫れを最小限にできる
- 隣の歯を守れる
- 治療期間が短くなる
といったメリットがあります。
こんな症状は受診のサイン
以下のような症状があれば、早めの受診が推奨されます。
- 親知らず周囲の違和感や痛み
- 歯ぐきの腫れや出血
- 口が開けにくい
- 噛むと痛い
- 奥の方の口臭が気になる
これらは軽い症状に見えても、炎症や感染のサインであることがあります。
「まだ大丈夫」を繰り返さないために
親知らずのトラブルは、
- 初期は軽い違和感
- しばらくすると腫れ
- 繰り返して悪化
という経過をたどることが多いです。
そのため、「次に痛くなったら行こう」ではなく、「気になった今行く」ことが大切です。
まとめ
親知らずとの付き合い方で大切なのは、次の3つです。
- 放置ではなく「管理」する
- 痛みがなくても定期的に確認する
- 異変があれば早めに相談する
親知らずは、正しく向き合えば大きな問題を起こさないこともあります。しかし、見えにくい場所にあるため、気づかないうちに進行するリスクも持っています。
だからこそ重要なのは、「今どうなっているか」を知り、「これからどう変化するか」を予測し、「必要なタイミングで適切に対応する」という考え方です。
親知らずは、人生の中で一度は向き合う可能性が高い歯です。しかしその扱い方次第で、将来の歯の健康や生活の質は大きく変わります。
定期的な歯科検診と日々のセルフケアを習慣にすることで、親知らずによるトラブルを最小限に抑え、長く自分の歯で快適に過ごすことができます。
そして何より、「少し気になる」という段階で相談することが、あなたの歯を守る最も確実でシンプルな方法です。
ほんま歯科クリニックでは患者様お一人お一人に合わせた治療を行っております。ご相談だけでも構いませんので、是非一度ご来院下さい。






